当店の酒棚にある酒たちのマメ知識、その3。焼酎編。ワインの中には知恵があり、ビールの中には自由があり、水の中には細菌がいる〈 In wine there is wisdom, in beer there is freedom, in water there is bacteria.〉
アメリカの政治家、ベンジャミン・フランクリンの名言です。日本の蒸留酒にはどんなスピリッツが棲んでいるいるのだろう。

焼酎

〈芋焼酎〉

魔王

黄麹を使い、華やかな香り、凝縮したエキス分と甘味が、焼酎とは思えぬ味わいを醸し出します。
ウイスキー・ブランデー等の長期間、樽に貯蔵する洋酒は呼吸作用等の熟成の為、少しずつ原酒の量が減少していき、そのお酒を昔より「天使の分け前」と呼び、貴重で縁起の良い酒とされてきました。
本格焼酎「魔王」は、天使を誘惑し、魔界へ最高の酒を調達する悪魔たちによって、もたらされた特別のお酒という意味で命名されています。

佐藤 黒麹

黒麹仕込み独特の力強さとしっかりしたボディを表現し、コガネセンガンの香ばしい香りとインパクトのある甘さを持っています。
力強い香りと味わいに、丁寧な熟成による繊細で滑らかな舌触りをもたせ、重厚な飲みごたえを感じさせてくれます。

川越

朝掘り甘藷仕込み。宮崎県にある小さな蔵元、川越酒造場がつくる芋焼酎「川越」は、土や栽培方法にこだわった宮崎県産の「黄金千貫」を使用。素材の良さを損なわないよう朝掘りの新鮮な芋をその日のうちに仕込みます。
備前焼のかめ壺で仕込まれる川越は、口当たりは非常にマイルド、きれいな味わいと柔らかく上品な甘さが広がります。

山ねこ

ジョイホワイト(九州108号)という芋の品種を原料としており、徹底的な手作業での仕込み、そして3年以上貯蔵される事によりアルコール感や芋独特の香りは無くなり果実のような甘さがあります。ジョイホワイトはサラリとした清涼感にドライな印象があります。飲みやすく、焼酎初心者や女性にもお勧めの1本です。

なかむら

中村酒造場は、鹿児島県霧島市にある国分平野と呼ばれる田園地帯にあり、1888年から今日まで続いています。焼酎造りの“命”とも言うべき麹造りを、九州でも三蔵しかないといわれる石造りの麹室にて行い、すべての銘柄を純手造りの製法により仕込んでいます。

三岳〈みたけ〉

平成五年、日本初のユネスコ『世界自然遺産』に登録された屋久島は、焼酎《三岳》の故郷です。本土最南端、佐多岬から南へ六十キロの海上に浮かぶ〈洋上アルプス〉の異名をとる九州最高峰の宮之浦岳・永田岳・黒味岳の三岳を初め、数十座の急峻な山々がそびえています。

富乃宝山

厳選された「黄金千貫」を丹念に磨き、低温管理で丁寧に仕込みました。黄麹仕込み。爽快な口当たり、柑橘系の香りで焼酎のイメージを一新させた革新的な芋焼酎。一般的に日本酒で使われている黄麹を使い、吟醸酒のように大事に低温発酵させます。蒸留の方法もよく工夫されており出来上がった焼酎には華麗な香りが漂います。芋焼酎は臭い!という今までのイメージを一瞬で変えてしまうほどの革新的な焼酎。

㐂六〈きろく〉

明治18年創業の老舗で、「百年の孤独」などの有名な焼酎で知られる黒木本店。この歴史ある会社で醸造されているこだわりの芋焼酎が「㐂六(きろく)」です。

伊佐美

伊佐美の製造元は鹿児島県伊佐市にある「甲斐商店」という蒸留所。明治32年創業の老舗で、小規模ながら職人が丁寧に手仕込みするというこだわりの製法で、今日まで伊佐美一本勝負で焼酎づくりをおこなってきました。

風譚〈ふうたん〉

地元鹿児島でもほとんど知られていない幻の芋と言われている、栗黄金(くりこがね)と言う品種の芋を使用。抜群の食味を誇る芋ですが栽培が難しく、収穫量は黄金千貫の6割程度。現在栽培するのはたった7軒の契約農家に限られています。他の品種と全く違いデンプン質が上質ながら相対的に含まれる量が少ないため歩止まりが良くありません。しかしその上質なとろりとした上品な甘味は他の芋では出せないのが特徴です。

白玉の露

地元大隅産のさつまいも「黄金千貫」を原料に白麹で醸した焼酎。「魔王」を醸す白玉醸造の代表銘柄で唯一の常圧蒸留酒。
「白玉の露」は、若山牧水の歌集「路上」より「白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけり」に由来しています。

虎斑霧島

清酒の製造に用いられている「黄麹」、霧島酒造創業者の江夏吉助が極めたルーツの「黒麹」。虎斑霧島はこの「黄麹」と「黒麹」の奇跡のコラボレーションにより誕生しました。

茜霧島

明るく色鮮やかなオレンジ芋「玉茜(タマアカネ)」が原料。
桃やオレンジのような香りとフルーティーな甘みが特徴です。13年の開発期間を経て生まれた玉茜(タマアカネ)に加え、霧島酒造独自の芋の花酵母を使用することでこれまでの芋焼酎にない、はなやかな香りがつくられました。

赤霧島

紫芋「紫優(ムラサキマサリ)」が原料。
紫優(ムラサキマサリ)に豊富に含まれるポリフェノールが焼酎麹の生成するクエン酸と反応して、もろみが真っ赤になることから「赤霧島」と命名しました。気高い香りと澄んだ甘みが特徴の本格芋焼酎です。

白霧島

南九州のシラス台地で育ったサツマイモ・黄金千貫と、霧島連山の清冽な地下水・霧島裂罅水で造る白麹仕込みの本格芋焼酎です。80年以上の長きに渡りご愛飲いただいた霧島酒造の代表銘柄である本格芋焼酎「霧島」が、名前を新たに「白霧島」として生まれ変わりました。

〈麦焼酎〉

佐藤 麦

佐藤酒造の麦焼酎として仕込みに取り組み、麦の素材感や、やわらかさ、素直な甘さを表現。煎った麦を思わせる香ばしさ、無濾過によるストレートな深みが、新しいタイプの麦焼酎。

中々

麦焼酎ブームの火付け役といわれるプレミアム焼酎・百年の孤独。中々はこの百年の孤独の原酒となった麦焼酎。九州産の選りすぐりの二条大麦と麦麹を使って作られた焼酎で、上品な甘みと香ばしさがあります。宮崎県に会社を構え、創業以来想い変わらず焼酎ひと筋でやってきたという黒木本店の作。

山猿

黒木本店 尾鈴山蒸留所で二年間の熟成期間を経て、芳醇でまろやかな麦の香りの生きた麦焼酎が生まれます。

一粒の麦

富乃宝山の西酒造が造る麦焼酎。芋焼酎が圧倒的な鹿児島であえて麦焼酎を造っています。大分の麦焼酎とはひと味違う、芋焼酎蔵ならではの深みのある味わい。国産大麦と大麦麹を用いて丁寧に仕込み、麦焼酎の理想を求めて常圧蒸留することにより、原料である麦本来の旨みをあますことなく引き出しています。

くろうま

神話のふる里と呼ばれる宮崎県高千穂町にて焼酎造りを昭和29年より始めた神楽酒造の作。厳選された国内産大麦焼酎100%使用の本格麦焼酎。宮崎の豊かな自然の中で育まれた華やかでキレのある逸品です。

〈黒糖焼酎〉

浜千鳥乃詩

甘み辛みのバランスが良い、黒糖焼酎の正統派。奄美大島酒造の黒糖焼酎。奄美群島でのみ製造を許される黒糖焼酎ですが、奄美大島酒造は地元奄美大島産黒糖のみで全銘柄を製造している唯一の酒造です。

朝日

朝日酒造は喜界島の自然豊かな土壌、穏やかな人々に囲まれ、セーヤ(島の酒蔵)として地元に育まれてきました。自社農園での有機農法にこだわったサトウキビ栽培、黒糖作り、自然の恵みあふれる原料での黒糖焼酎づくり、一貫した「ものづくり」に挑戦し続けています。

天下一

当地特産の黒糖とタイ米を原料として仕込まれる新納酒造の主力銘柄。奄美特有のサンゴ礁に濾過されたミネラル分の多い硬水を仕込水と割り水の両方に使用。 麹造りには白麹を用い、黒糖焼酎の個性的な風味をより強く引き出すため、黒糖の使用割合を米麹の2倍と多く使用して仕込みまれています。その後、単式蒸留器で丁寧に常圧蒸留された原酒を濾過して1年以上貯蔵熟成させ、割り水して出荷されます。